「水生昆虫とフライタイイング」忍野フライ その2


1月15日に行われた、タイイングスクールで学んだパターンを水生昆虫の種類別に分け解説していきます。水生昆虫にあわせた、フライパターンも合わせてご紹介していきます。ただ漠然と使うフライを選ぶよりも、対象魚が食べている虫を知り、それに合わせて巻いたフライを使用することで、多くの魚と出会い、より深くフライフィッシングを楽しむことが出来るようになります。


オナシカワゲラ オナシカワゲラ科
羽化期:3月下旬〜5月下旬/8月下旬〜9月


サイズ   フックサイズにすると18番くらい。
  全体的な色は、黒褐色。
特徴的部位  

ボディーは細身で、幼虫のテイルは2本。成虫のテイルは無いように見えるが、ごく短い一節が左右に付いている(ルーぺなどで確認できる)普段は、成虫の4枚のウイングは背中に縦に細長く積み重ねられている。水面に落ちて流される成虫はこの姿をしている。ただし産卵を終えて流下する個体は羽が開いている。飛ぶ時に4枚の羽が見える。左右にフラフラしながら飛ぶ。

羽化する時間帯   昼間に集中する
羽化方法   陸上羽化
羽化特徴   フライパターンは、ニンフ・アダルト・スペントパターンを用意しておくと良い。流下するのは水面に落ちた個体が多く、落ちる成虫の多くは風の影響を受ける。強風の日がチャンス。
羽化の急な増減はなく、継続的な羽化が長時間続くタイプ。
ハッチ量は飛び交う成虫の量で判断できる。 
ニンフは緩い流れの藻にたくさん棲んでいる。鱒は藻の表面にいるニンフをつまんだり、藻に口先を突っ込んでニンフを捕食している。朝晩や、釣り人のプレッシャーがなければ昼間でもかなり浅い所までやってきたニンフを捕食する。

 



エルクヘアカディス Elk Hair Caddis

パラシュートダン


フライタイイングを始めるとき、最初に教わったのがエルクヘアカディスではないでしょうか。フライタイイングの基本が盛り込まれているフライです。ダビングボディの作り方、ハックルの巻き方など、様々なテクニックが盛り込まれています。
ウイングマテリアルのエルクとディアには、多くの種類が存在し、タイイングするフライに合わせてマテリアルを使い分けることが出来ます。


・ フック/TMC100 #16
・ スレッド/ユニスレッド オリーブ16/0
・ アブドメン/スーパーファインダビング(各色)
・ ハックル/ミディアムグレーダン
・ ウイング/カウ エルク(ナチュラル)

*上記のフライレシピは今回タイイングしたフライで使用したマテリアルです。
タイイングの一例としてお役立て下さい。


下記は、マテリアルの種類を表記しました。是非、タイイングの参考にお役立て下さい。

タイプ   代表的なパターンや用途   特徴
カウエルク   エルクヘアカディスなど多くパターンに使用可能。大型ボデイーのスピニングやスタッキングに使用。   メスのエルク。浮力が強くフレアーしやすい。カディスウイングやスピニングにも使用可能。アル・トロスのエルクヘアーカディスはブリーチされたカウエルクがマテリアルとして指定されている。

ブルエルク  
主にスティミュレーターやインプルード・ソファーピローなどの大型のストーンフライやエルクヘアカディスなど多く使用。

  オスのエルク。クリーム色の毛色でナチュラルでも視認性が良い。スピニングには不適。
イヤーリングエルク   主にコンパラダン、ヘアウイングダン、ハンピーなどに使用。  
生まれて一年程のエルク。均一な太さのファイバーと短い先端部。
スピニングにも使えるが小型フライ用。

エルクメーン   主に大型フライのテイルに使用。   たてがみの部分。ほぼソリッドで細く長い
エルクランプ   パラドレイクなどエクステンデッドボディーに使用。  
エルクのおしりの部分。
長いヘアーできめが荒い。先端が切れている事が多い。

エルクホック   主に小型フライのテイルに使用。小型のエルクヘアーカディスやアップライトウイングにも使用。   スネの部分。きめが細かく艶がある。硬く短いので小型フライ用。
ディアマスク  
主にテイル材。
フレアーさせないウイングにも使用可能。

  顔の部分。極めて硬く、ほぼソリッド。曲がっている場合がある。
デイアランプ・ベリー   主にバスバグなどのクリップドボディーに使用。   お尻やお腹の部分。ヘアは太く良くフレアーする。長く大型フライに好適。
ディアボディー   コンパラダン、マドラーミノー、シケーダー、イレジスティブル、各種ウイングなどさまざまな用途がある。  
部位によって様々な特徴がある。ヘアはフレアーしやすいが度合いは様々。浮力が高い。パッチでコンパラダンディア、スピニングディアなど用途に分けられている場合もある。

ムースボディ   テイル材。大型ストーンフライなどウイングにも使用可能。   全体に硬く太めでフレアーはあまりしない。直線的でドライフライのテイル材に最適。
ムースメーン   モスキートなどストライプ模様のボディーやクイルタイプのボディーに使用。  
タテガミ部分。黒と白のヘアがミックスされた長いヘアで、太くフレアーしない。

ムースホック   小型フライのテイル材。   スネの部分。短いヘアで艶と張りがありテイル材に最適。ソリッドでフレアーしない。
アンテロープ   シケーダーやバグなどスピニング/スタッキングに使用。  
レイヨウ(羚羊)の一種。中空ヘアの中で最も強い浮力。簡単にフレアーするがもろく、スレッドで切れやすい。毛先は切れている事が多く使用できない。

カリブー   小型ボディーのスピニング。小型アップライト及びカディスウイング。   小型のボディーやウイング用として好適な質感。


●参考

○エルク= アメリカ北部に生息する大型の鹿
ディア= カナダ、米国北部に生息する中型の鹿
○ムース= ヨ-ロッパ北部、シベリア、カナダに広く分布するヘラジカ(鹿類で最大) 




続いて、ハックルのご紹介
ジェネティックハックル=フライタイイング用に品種改良されたハックル
インディアン・チャイニーズハックル=インド・中国産のニワトリのハックル

タイプ   代表的なパターンや用途   特徴
コックネック   スタンダード、パラシュート、ボディーハックルなど様々なドライフライに最適。  
オスの首〜背中の羽。極めて小さなハックルから大型のハックルまで取る事ができる。ストーク(ステム)には一定の張りがあり、付いているファイバーは根元から先端にかけて緩くテーパーがついている。ファイバーには張りがありウェブが少ない。ケープの両サイドのハックルはテイル材として利用可能。

コックサドル  
パラシュート、ボディーハックル、ストリーマーのウイングなどに使用。
 
オスの腰の羽。コックネックと比較してハックル一本の長さが非常に長く、ファイバーのテーパーが根元から先端にかけて極めて緩い。ストーク(ステム)、ファイバー共に柔らかくしなやかでウェブは少ない。

ヘンネック   スタンダードやスピナーのウイング、ソフトハックル、ウェットフライのスロートハックルなどに使用。  
メスの首〜背中の羽。コックネックと比較してハックル一本は短い。コックネック同様に小さなハックルから大きなハックルまで取る事ができる。ストーク(ステム)にも一定の張りがあるが、ファイバーは細くしなやかでウェブが多い。ドライフライのハックルにも使用可能。

ヘンサドル   ウェットフライのウイングやスロートハックル、ストリーマー、スペイフライ、ドライフライのカットウイングなどに使用。  
メスの腰の羽。ヘンネックと比較してハックル一本は長い。ファイバーは長く柔らかくウェブが多い。



●タイイング手順
1. シャンクいっぱいにアイ側から下巻きをする。
2. ゲイプの1.2倍程度のハックルを準備し取付ける位置のファイバーを切り落とす。
3. シャンクのベント側にハックルの裏面が上を向くように巻きとめる。
4. スレッドにダビングワックスを塗りダビング材をしっかりと拠りつける。
5. ハックルの根元よりアイ側に向けて巻きボディーを形成する(アイ一個分程残す)。
6. ハックルを等間隔でアイ側に向けて巻きスレッドでしっかりと巻きとめる。
7. ボディー上部のハックルをカットする。
8. ウイングとなるエルクヘアを切り出しアンダーファーを取り除く。
9. スタッカーでエルクの先端をそろえる。
10. エルクの長さをシャンクのベントの位置に合わす
11. シャンクの真上に乗せ、スレッドでエルクだけを1回転させてからシャンクごと2回転ほど巻付け下から上に向けて締め込む。

 (エルクがシャンクの真上にあるか確認する)
12. 更にアイ側に出ているエルクの前後にも数回転巻きつけて補強する。
13. アイにフィニッシュし前方に出ているエルクをカットし完成。



*上記のフライレシピは今回タイイングしたフライで使用したマテリアルです。
タイイングの一例としてお役立て下さい。

次回のピックアップニュースは、オリーブサイド(ハックルスタッカーダン)です。どうぞお楽しみに!!


 

 
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