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●開発エピソード Episode #3 CFT-120&CFT-140 ハックルプライヤー

老舗ブランドの牙城は高く
ハックルプライヤーには、思い入れの多い方が多く、製品化の前から「**のプライヤー以外は使えない」といった意見や、知人やイベントなどでお話した方から様々な意見を聞きました。個人的にはハックルプライヤーは製品ムラの多い製品が多いと感じていました。 同時にネームバリューに推され、製品のパフォーマンスはそれほどシビアに検証されていないようでした。かくゆう我々もタイイングツールに取り組むまではその中の一人であったわけですが・・・。


プライヤー
ハックルプライヤーで大事なのは、やはりハックルを挟んだときにハックルが抜けないことが一番でしょう。ハックルが切れてしまうのは、ハックルのせいもある場合が多いようですが、ハックルが抜けるのはハックルプライヤーの性能によるところが大きいのだと思います。
ほとんどのハックルプライヤーがリベットを含め僅か数点の部品で構成されているのに対し、C & F DESIGNのハックルプライヤーは11点の部品で構成されており、その大半はプライヤー部分に使われています。有名無名を問わずいろいろなハックルプライヤーを使ってみましたが、実際のところどれもけっこうハックルが抜けてしまいました。プライヤー部分の構造には数種類があるものの、いずれもテンションのかかり方が、ずいぶん不安定な印象でした。



そこでアイデアを出してはいろいろなテストを繰り返し、いくつかの特徴的なアイデアを施しました。
ひとつめはスプリングプレート(板バネ)を使うことでした。なんと3枚!C & F DESIGNのハックルプライヤーには3枚のスプリングプレートが入っています。(ちょっと見にくいですけど)そしてプライヤー先端をかるく開くことで、点ではなく面でストークを掴むことにしました。さらにプライヤーのエッジでハックルを傷めないように電解研磨を施し、プライヤーの内側にはハックルを掴んだときのグリップ力を高めるためにサンドブラスト加工を施しました。板バネの採用をはじめとするそれぞれのアイデアの効果は想像以上でした。ジワッというかグゥーッというか、その掴む感触からハックルストークをしっかり掴んでいるのが伝わりました。とにかく徹底的にやりましたが、プライヤーに関してはこれでいいんじゃないかとある程度の自信を持てた瞬間でした。


ストーク切れ
次にハックルストークが切れてしまうことを防げないかという問題です。ハックルストークは常に一定の太さや強度というわけではなく、先端近くにゆくに従い細く弱くなります。つまり強度は一定ではありません。そこでC & F DESIGNのハックルプライヤーにはショックアブソーバーを設けました。素材の選択は硬さや伸縮率などを細かくテストしながら決定しました。ハックルが短いほど巻くときのテンションには気を使いますが、ショックアブソーバーの効果は上々でした。ストークが切れることも減りましたが、タイヤーの感想としては、切れること以上に、よりタイトに力をかけることができて、より丈夫なフライが巻けることの効用のほうが大きいものでした。

 

ウエイト
これはハックルプライヤーに限ったことではありませんが、
タイイングツール全体を見渡すと、どれも軽いものが多いなと感じていました。ハックルを巻いた後、手を離すと巻いたハックルが緩んでしまうものがほとんどです。
CFT-120はサークルグリップの中に重量をかせぐ為のスタビライザー(ウエイト)をはめることにしました。重量が増したことで、もちろん巻き終えたハックルを保持する力は向上しましたが、同時にハックルをシャンクに巻きつけるときに遠心力や慣性が働きやすくなり、フックシャンクを軸としたハックルプライヤーの回しやすさも向上しました。
CFT-140(ロータリーハックルプライヤー)についても
ブラス性のグリップの効果でCFT-120と同様の効果をあげています。




最後に
ずいぶん熱くなって作った当時からすでに8年近くが経過し、やや懐かしい気も
しますが、ハックルを巻きながら時々当時を思い出します。
手前味噌ではありますが、よくできたハックルプライヤーだと思います。
機会があったら是非皆様にも手にとっていただきたいと思います。

じつはスタビライザーをもっと重くできないかといったリクエストは定期的に
受けており、オプションパーツとしてもう少し重いスタビライザーの発売を
検討中です。(写真参照)





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